北海道在住Aさん
高校3年生
現役合格のために
進学を進める人からは、決して高校生が現役で公務員になるための話は聞けません。
親の責任は、進学資金を準備するだけですか?
保護者の方が、よく進学資金の準備するのが親の役目で、お金を用意したらあとは本人の自主性に任せると話されます。
進学にはお金がかかりますので、ご家庭で話題の中心になるのは分かるのですが、お子さんの進路を選ぶ環境がどんな状況になっているか、思いを巡らせる保護者はあまりいません。
たとえば部活動を一生懸命にやっている子は、厳しい練習をやっているので頭の中は部活のことでいっぱいですし引退するのは高3の冬です。そんな状況では卒業した後のことを自分自身でゆっくり考える余裕はありません。
もちろん高校の先生がそのままにはしませんから、担任の先生が説明会を催していくつかの選択肢を用意することになります。
また部活動に入っていない、学校生活にゆとりのあるお子さんでも学校の成績や先輩たちの進学先を示されて「進学先は、このいくつかで・・」と一般受験か推薦かを問われて、進路が決まっていきます。
つまりお子さんが自主的に決める進路とは、
高校側が用意した選択肢を選ぶプロセスです。
どれでもいいじゃないか・・
私たち親が子供の進路を学校に任せている理由の1つに、あなたの経験や社会を見て思うことが影響していると考えています。
事務の仕事をしているのに元は幼稚園の先生だったり、IT系の勉強をしてきたのにイタリアンのシェフをしている人など、学生時代とは全く違う分野の仕事をしている人は珍しくありません。
つまり大学で何学部に入ろうが、専門でどんな資格を取ろうが、それがお子さんの仕事に結びつくかは不透明だから、高校を出たら「ひとまず自分のやりたいこと」を目指せる環境を作ってあげようと私たちは考えるのかもしれません。
自分で選択肢を探せない
ところが、今のお子さん世代は、
用意された選択肢を選ぶことに慣れてしまい、自分で選択肢を探す習慣がありません。
多くは小学校からルートに沿って、高校、大学、短大、専門へと進んできました。
幼いときは親が、大きくなったらご自身で、あらかじめ設定された「選択肢」を選んできただけですから無理もありません。
でもそのままでは、自分で将来を切り拓いていくのは難しいですから、
高校を出て自由な学生生活の中で、サークルやアルバイトの経験などが加わり、自分に合った選択ができる大人になっていきます。
ですが、
その道は決して平坦ではありません。
25歳までの間に、約50%のお子さんが、中退・留年・転職のいずれか、もしくはその複数を経験することになります。
18歳までノントラブルで過ごすのが普通、そこから先はトラブルになるのが普通です。
大学を中退する理由の大半は「学校がつまらない」「通っている意味が見出せない」と大学から遠ざかり、
1年かけて決めた就職先を約4割の人が25歳までに辞めてしまいますから、
高校を出たお子さんが満足いく結果かどうかは別として、社会に馴染むまでに、その半数が平均で7年かかっているということです。
学校を中退することは、本人にとってみれば柔軟性が芽生え始めたいい兆候なのかもしれませんが
そんな悠長なことも言ってられません。
レールを外れれば就職が不利になりますし保護者の方にも大きな痛手です。
奨学金を借りていれば返済問題も出てきます。
「人並み」の考えが善悪を分からなくする
私たち親世代は「人並み」というブランドが刷り込まれています。
特に自分の子供には不自由をさせたくないと思うのが親ごころです。
周囲と同じ、子供が惨めな思いをしないように最大限の配慮をするでしょう。
でも他人の目を気にするあまり、お子さんの10年後に照準が合わない、
来年、再来年のことしか見えない状況になるのだと思います。
高校を出たら7%が大学を辞めます。
25歳までに職場で耐えられないほどの出来ことが起きて4割が辞めてしまいます。
職場で耐えられない事とは、
何もパワハラなどの事件のようなレベルに限ったことではありません。
職場の雰囲気が悪い、
忘年会があるのが嫌だ、
若い子がいない、
思い通りの仕事ができない、
仕事ができないことを注意された・・など、
学生レベルの理由で職場を辞めることは珍しくないのです。
このキャリアレベルで、
社会で生きていけると思いますか?
こうなるリスクがあるのに、
あなたが何もしないでいられるのは
周囲と比べられることもない、
もう大学まで行かせたのだから
親の責任は果たしたと考えているからではないですか?
子供の幸せのために動けるのは、あなたしかいません。
あなたが周囲に流されたりすれば、お子さんにとって本当に必要なことを見失ってしまいます。
本当の親の責任とは、
社会で生きていけるようにすることではないでしょうか。
野生動物も獲物を取り方を教えて親離れをさせますから、これは正しい認識だと考えています。
高校を出たあとの7年間が苦労の連続になる本当の原因は、
進学ばかりに気を取られ、
社会で生きていくための「キャリア」の基礎作りがちゃんと出来ていないからだと実感しています。
6つ目の選択肢
この「キャリア」の基礎の大切さに気がつくことができたら、
世間の人が選ぶことのない「第6番目」の選択肢を自分で用意することになります。
それが東大や早稲田を目指さずに海外の大学に進学することであったり、
高校を出て公務員に就職して通信制大学に通うことだったり、
創作活動から会社を興すことだったりするわけです。
周囲の人や学校の先生は、
用意している5つの選択肢ではない、6番目の選択肢を持ってくるのですから、
反対する人もいるでしょう、
人によっては
「全否定」する人もいるかもしれません。
でも、お子さんの10年後を見据え本当に必要なものを見つけて
お子さんと一緒に、それを跳ね返す力をお持ちなってください。
私たちは2012年から高校生の公務員試験の現役合格を目指す活動や、
大学生の就職や社会人の転職支援を通して
キャリアの基礎が出来ていない若者が多いことを心配し、危機感も覚えています。
ご覧いただきありがとうございます。
感想やコメントがございましたお寄せいただければ幸いです。
またお子さんのキャリア作りに関心のある方やご相談は個別に対応しておりますのでご連絡ください。
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